不定期連載 さゆみんとわたし 第2回 「宝の箱」

わたしが道重さんと過ごすことができた日々は、1年半にも満たない。

初めてのコンサート、2013年秋ツアーCHANCE。
近い将来終わりが来るということを、いつも片隅に感じながら見る景色。
今日と同じ日は二度と来ない。そのかけがえのなさを、会場にいるすべての人が噛みしめているようだった。
後悔しないように、今を精一杯楽しむこと。
そのことを誰よりも理解し、体現していたのが道重さんだった。
自分のすべてをもってこの人を好きになってみよう、と思った。

それから、道重さんを思う気持ちに向き合いながら過ごす毎日がはじまった。
ちゃんと真っすぐに好きで居られているだろうか。
ファンとして恥ずかしくないように生きられているだろうか。
こんなにたくさん与えてもらって、わたしは何を、どう返していけるだろうか。
外に向かうのではなく、自分の内側へと静かに潜っていくような作業。
こんなにしんとした気持ちでだれかを思ったことは無かったし、卒業から2ヶ月経った今も、その作業はずっと続いている。


道重さんのいない日々がひどくつまらなくて、何もかも投げやりになってしまう時もある。
けれど、そのたび思い起こす。
それほどすばらしい人を好きになれたということ。
生きているかぎり、そのすばらしさをずっと感じられるということ。
わたしの人生は道重さんに出会えてほんとうによかった。
この宝物を、これからも大事にあたためていこう。
そう思うことが、今のところ唯一の「さゆロス」から抜け出す手段。

 

(2015/2/5)