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不定期連載 さゆみんとわたし 第4回 「さみしさの居どころ」

ハロコンに行った。
ネットでセトリを見て「Say Yeah!~もっとミラクルナイト~」を次いつ聴けるか分からないと思ったのと、Berryz工房のいる景色を見納めておきたかったから。あと、’15という現実と向き合うために。

前日に用意をしながら、この最高にイケてるピンク色のTシャツを持っていけないのは残念だなと思った。双眼鏡と、メンバーカラーのキンブレと、お守り代わりに卒コンのシリコンバンドを持っていくことにした。

 

去年の夏以来のオリックス劇場。会場内、ずらっと並ぶ物販の列。ついこの間までわたしもその中にいたのに、今日は何も買わないから所在無さでソワソワする。居場所がないというか。
席を探して階段を上っていると場内から「シャバダバ ドゥ~」のCM音源が聞こえて、さっそく心がかき乱されてしまう。もうここにいないのを確認しに来たというのに。
久しぶりのファミリー席。初めてハロコンに来た日が、ついこの間のような、遠い昔のような。
暗転して、開演。
色とりどりの光に照らされていく客席。わたしは何色を持てばいいか分からず、手首にはめたシリコンバンドの存在を時折り確かめたりした。

各グループ、新メンバーとてもいい子たちが揃っていてこれからが楽しみだと思った。
アンジュルム、曲にもグループにも勢いがあり、誰を見ていいか分からなかった。
体調不良で嗣永さんがいないのは残念だったけど、Berryzさすがの安定感。
研修生の小川さんの美しさや、℃-uteの矢島さんのしなやかな筋肉に目を奪われてしまったし、Juice=Juice佳林ちゃんのアイドルサイボーグぶりも健在だった。

’15のみんなの姿を見ると、ひさしぶりに従兄弟に会えたみたいにうれしくなった。ひな壇にいるときも元気いっぱいで、パフォーマンスはひとりひとりの覚悟が伝わってきてとても心強かった。

けれど、2時間で分かったことは「道重さんのいないさみしさを埋められるのは道重さんでしかない」という分かりきった事実だった。さみしい反面、すこしホッとした。
やっぱりあんな人どこを探してもいない。参ったな、と思った。

キンブレは、結局最後まで一度も使わなかった。
あるはずの色が、声が、姿が、ここには無くて、道重さん無しに物事が進んでいくのが当たり前な空間にうまく馴染めず、取り残された気持ちだった。

そんなわたしの何百倍も濃密に、日々その事実を突きつけられているはずの’15のメンバーは、持ちうる全てを尽くし、今一瞬を懸命に戦っていた。
未練がましくいつまでもメソメソしている自分を情けなく思った。
道重さんに出会えたわたしは、もっともっとすばらしくならないと。

 

こうして今回ハロコンに来ることは思い出を上書きするみたいで少し怖かったけど、ステージ上に道重さんのいた光景は、そんな簡単に消えてしまうようなものでは無かった。あの声は、姿は、今もちゃんとわたしの中にある。

埋められないさみしさは、無理に埋めなくてもいい。
だれかを思いつづける気持ちを、そこに住まわせてあげようと思った。

 

(2015/2/17)