甥っ子がお泊まり保育に行ってきた。
大泣きして別れたけど、涼しい顔をして帰ってきたと、仕事中に姉からメールが来た。
わたしもお泊まり保育に行ったなぁと思いながらパソコンに向かっていると、その頃の記憶が驚くほどの鮮度を持って浮かび上がってきた。
暑さで氷が溶け、味が薄くなったミックスジュース。ふにゃふにゃになった紙コップ。ぬるいスイカ。プールを見学の友だち。青と白と黄色の縞々のプラスチックのベンチ。お昼寝のタオルケット。キャンプファイヤーの舞い上がる灰。ラジオ体操の朝の光。
最近、昔のことをよく思い出す。
それ今しか出来へんねんで、と過去の自分にいらぬお節介を焼きたい気もするけれど、そんな記憶をたくさん残してくれてありがとう、という気持ちの方が大きい。
何十年も経っているのに、質感まで細かに再現される記憶。
こんな風にふとした拍子に蓋が開けられる日を、過去の自分は楽しみに待ってくれているのかもしれない。