道重さんの卒業は、覚悟していたとはいえ相当なショックだったんだと今になって思う。横アリの翌朝、何事もなかったかのように日々が営まれる世の中を受け入れたくなかった。新しいハロプロを、とりわけ新しいモーニング娘。を。
ファン歴の浅い私にとって、道重さんのいないモーニング娘。はモーニング娘。では無くなってしまった。だから私は山を下りはじめた。もうこれ以上ここで見るものは無いと。
けれど、頂上だと思っていたその景色は、モーニング娘。という長編スペクタクルに於いて、中腹にも満たない辺りだった。私はただ麓をうろついて全てを分かったような気になっていたに過ぎなかったのだ。モーニング娘。じゃない道重さんを媒介として、そのことに気がつくことができるまで。
「モーニング娘。」とは。
絶え間ない変容の中で、その答えのない質問を問い続けること。それがモーニング娘。なのかもしれない。
なんにもわかっちゃいないながら、またいちからこの山を登ってみようかなと思った。