日記を読むと、去年の今日はハロコンに行っていた。道重さんの一挙手一投足を目に焼き付けようとしていた。
次の日もハロコンに行き、同じように道重さんだけを見ていた。とても羨ましく思った。
今年はハロコンに行かなかった。もともと夏が苦手で、できることなら出かけるのは日が落ちてからにしたい。
こっちがわたしの本来で、去年が特別だったんだと気づく。
思えば道重さんのいた日々は、何もかもが特別だった。
狂ったように野菜ジュースを飲んだり。出演するテレビ番組をすべて録画しては編集したり。雑誌を買いあさっては解体したり。写真を買ったことも、ヲタTを着たことも初めてだった。ひとりで遠征したことも、ビジネスホテルを予約して泊まったことも、夜行で帰ってそのまま出勤したことも。
いつの間にかそれが日常となっていたから、卒業の日を境に、また特別と日常とが入れ替わったことに8か月が経った今もまだうまくなじめない。
なつかしくて新しい日常には、去年には見えなかったものもたくさんある。
最近はアイドルもあまり聴かなくなったけれど、もしアイドルを好きになる前の自分に戻ったとして、それは前と同じではない。
今のわたしには、特別な日常を過ごした記憶がある。そのことはわたしを苦しませも、救いもする。
現実はリセットもセーブもできない。昔のマリオみたいに。戻ることはない。
だからこのステージがひどくつまらなくても、前に進むしかない。
どうせ進むなら、元気に歩いていきたい。ひどくつまらないことを笑えればいい。そうしてひとつずつステージをクリアして行けたら、また新しい特別と日常に、いつか出会える気がする。
(2015/7/26)