2年5ヶ月ぶりにハロコンに行った話

ミーハー心と、初日というレア感で、ふらりとハロコンへ行ってきました。

チケットをまとめているスクラップブックを見ると、前に入ったのが2015年2月14日の冬ハロコン。道重さんのいない初めての現場でした。 不定期連載 さゆみんとわたし 第4回 「さみしさの居どころ」 - うさぎをめぐる冒険

さゆロス全開。

オリックス劇場へは、去年イエスの来日公演を観にきたのでそれ以来。

 

例のごとく御堂筋線の本町から四ツ橋線の23号出口までぐんぐん歩き。

公園にカラフルな人たちがたむろしているのを見て、懐かしいなぁとうれしく思い。

 

前の席の方が小川Tを着ていて、わたしもこぶしの時は赤色を振ろう...!と意志を固めるも、持ってきたペンラが'16のだったので赤色が無く。不覚。あやちょもごめん。

以下、グループごとにざっくり感想をたれ流し。

 

・Lovelysさん(OA)

曲かわいい。アイドルらしいアイドルをひさしぶりに見た、というか、サユミンランドールしか観てないからか。右の方の肩に乗ってるホワホワしたやつが最後にカメラ抜かれたのが、あらびき団のようなシュールさで笑った。

 

まことさんからオーディションの告知と、MC山木さんと小関さんの紹介。

応募資格「9歳から17歳までの未婚女性」で起きたエーイングが意味分からなさすぎて、あぁハロプロ現場に来たなぁ、とジワジワ。

 

つばきファクトリー

初めて見るグループ。と言っても、2015年の生タマゴに1度だけ行ったことがあって、今のグループほぼ当時の研修生たちで構成されてるなぁと気づく。

事前にきしもんは黄色、ということだけ調べた。小片さんの顔好き。

「笑って」のサビで、ステージ脇に座ってる、まーちゃん、小関さん、ふくちゃん(遠くてよく見えなかったから違うかも。)が、笑っ「て」のタイミングで、いないないばぁみたいに色んなポーズを繰り出してるのがかわいくて、そっちばっかり見てた。まーちゃん元気そうでよかった。

就活の時、キーボード打つ振り付けをしてるふくちゃんが、なんか見たことのない姿でおもしろかった。結局モーニングに目がいってしまいますね。

 

こぶしファクトリー

個人的に今回のハロコンの中でベストアクトだった。気持ちの入り方に凄みがあった。客席も。「やれるはずさ」という言葉が、自分たちに言い聞かせているようで。一緒に踊るきしもんが誰よりも振り切ってて、同士のようでとても心強かった。

なんの時だったか桜子さん階段踏み外して転けてたけど、そのあと普通に踊れてて安心した。

はまーらさんは相変わらず手足が長く、折れてしまいそうな。たぐっち大丈夫かな。みんなで支えあって乗り越えてほしい。

野村さんのI&YOU&I&YOU&I、声がかわいくてとても合ってた。

 

カントリーガール

前に来たハロコンが確か嗣永さんが休みで、だから最後に嗣永さん見たのは2014年の夏になるんだと思う。6人のカントリーも見てみたかったな。

小関さんの歌が好きだなと思った。うまいというわけではないけど、何かこちらに伝わってくるものがあった。梁川さん、クールでかっこいい。ふなっきは北斗の拳のリンに似てる。サイズ感が。森戸さんは、なるほどこりゃファン多いわ、と腑に落ちた。負けん気の強さ。

山木さんはMCで終始おいしいポジション。適材適所とはこの事。小関さんのマイクが音が出ないことに即座に気づいて、お茶目に自分のマイクを差し出すところでこの人好きー!と思った。なんだろうあの余裕、包容力。

J=Jの地団駄を踊ってるときは、お嬢様がおいたをしてらっしゃる感でおもしろかった。

皆それぞれに嗣永さんから受けた愛をめいっぱい育てていこうとしているのが感じられて、誰からも摘み取られることなく、大きく咲いてほしいなと思った。

 

・juice=juice

完成度、安定感がいちばん高かった。なるほど°C-uteっぽい。

植村さん素敵というより無敵。

段原さん、スポットライトの中で踊れる喜びが全身から溢れていた。

 

アンジュルム

笠原さんと上國料さんはじめまして。

川村さんは耳がかわいいですね。エルフっぽい。

あやちょのオーラは見るたびに大きく強くなってる。あやちょと呼ぶことも躊躇われる。和田彩花様。荒くれ者たちを従えてる構図がおもしろいグループ。ドラクロワ

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モーニング娘。'17

ジェラジェラ音源で聴くよりずっとかっこよかった。娘。は黄緑振るって決めてるけど、正直誰を見ていいか分からなかった。見るところが多すぎて。

13期はじめまして。かえでぃーこりゃモテるわ。初期プリキュアというのも大いに頷く。

笑顔YESヌードのとき、階段をぐわーって駆け下りるどぅーちゃんがかっこよくて、目に焼き付けておかねばと思う。

最後のI WISHも、どぅーちゃんに花を持たせる演出で、どぅーちゃんが今のハロプロに与えた影響ってすごいと思うし、功労者だし、いいゴールを迎えられるといいな。

 シャッフルで「恋のテレフォンGOAL」来て、よっしゃー!となって、生田さんのベサメムーチョの癖が強くて相変わらずやなぁーって笑った。

えりりんからえりぽんへ。

Eri Kamei Pirorin Soro - YouTube

次は単独でじっくり見たいなぁ。秋ツアー入れるといいな。

あと、I&YOU&I&YOU&Iの野中ちゃん、カメラ目線でほほえまれて、もし同級生だったら恋に落ちるだろうなと思う。なんやろう、不思議な魅力。

 

そもそものグループの認識が低いので、移籍による云々はわたしにはよく分からなかったですが「普通に楽しめた」というのが自分にとって大きな変化でした。道重さんが再生して、やっとそうなれたのかな。

いろいろ記憶からこぼれ落ちているものもありますが、とりあえずこのような感じで、、、

 

あ!大事なことを書き忘れてた!

一岡さん率いる新セクションの「誤爆誤爆!」ってやつ!早く音源ください!

もともと楽曲から入ったので、曲が良いかぎり、これからもハロプロ好きだろうなと思います。

長々お付き合いありがとうございました。

 

不定期連載 さゆみんとわたし 第21回「もうすぐHAPPY BIRTHDAY」

今年も道重さんのお誕生日が近づいてきました。

もともと暑さが得意でなく、早く冬にならないかなぁと春頃から思ってるようなわたしでも、7月のカレンダーを見るとなんだかワクワクしてきます。

 

昨年に続き、バースデーカードを手作りしました。今年はどういうのにしようかな?と想いをめぐらす時間も、それを形にしていく時間も楽しくて。

些細な幸せ、本当の幸せ。

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ユミンランドールの追加公演初日の前夜、夜な夜な彫りました。千秋楽までの全公演、無事に完走できますようにと丸の内に祈りを送りつつ。

 

そういえば消しゴムはんこも、道重さんがお休みしている間、打ち込める何かを模索する中で出会ったものでした。なので今年のバースデーカード作りは、個人的な集大成、卒業制作のつもりで取りかかりました。さゆロスからの卒業。

 

残念ながら追加公演にも平日のバースデーイベントにも行けませんが、1年に1度、こうして道重さんを好きな気持ちと向き合う節目として、これからもこの日を大切に想っていきたいです。

(2019年の7月13日は土曜日なので、それまで希望を持って生きよう...!)

 

もしかして 来年も こうして過ごせるかしら。

もうすぐHAPPY BIRTHDAY。

写真語りたいだけのブログ

このところの道重さんは、早起きと、未公開の写真を探したり組み合わせたりしてブログに載せることがお気に入りのようです。

 

さぁ今日も働こう、という時間帯にブログの更新を知らせるメールが届き、すぐ見たい気持ちを抑えてこっそりタイトルを確認し、お昼休みにやっとリンクを開きブログを読む、という楽しみを日々与えてもらっています。

 

なんてかわいいんだろう!と新鮮な驚きを覚えることは毎度のことですが、今日は特に、1枚の写真に深く感銘を受けました。

 

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写真載せたいだけのブログ|道重さゆみオフィシャルブログ「サユミンランドール」Powered by Ameba

 

 本人曰く「ボッケボケだったけど、
なんかポーズ謎めいてたから、載せてみた(笑)」という写真。

 

ちょっとピンぼけ。

そう、ロバート・キャパです。

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どんなに深くまできれいにピントの合った写真でも、これほどの説得力をもつことはできなかったでしょう。技術では表現しきれないその場の空気が、ピンぼけによって切り取られています。

それは歌にも通じるものかもしれません。ピッチがとれなくても、いや、とれていないからこそ、心に響く歌があるということ。

 

もう一度道重さんの写真に戻ってみると、よく知っている人でないと、これが誰なのかさえ分からないかもしれません。この1枚に映し出されているのは「道重さゆみ」というより、その「たたずまい」なんだと思いました。

女の子(よく見えんけど間違いなくめっちゃかわいい)が、なんか不思議なポーズをとっている。何をしているのか。これから何をしようとしているのか。

 

受け手が自由に完成させることができる遊びや余白が面白い1枚だと思いました。

 

 

これに似たことを、つい最近のあや著にも感じました。

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KANA|アンジュルム 和田彩花オフィシャルブログ「あや著」Powered by Ameba

Twitterのタイムラインにこの写真を見かけたとき、ミニチュアダックスか何かがじゃれ合っているのかと思いました。

あやちょの写真は一見して何が写っているのか分からないものが多く、気になってついリンクをクリックしてしまいます。

どれもアンジュルムのわちゃわちゃ感が溢れていて、それをいい写真と思える感性と、普通ならボツになりそうなそれらをファンに見せてくれる無防備さがとても好きです。ピントの合った写真なら幾らでも事務所が撮ってくれるから、ブログでは素の状態を見せてもらえると、ファンってうれしいんじゃないでしょうか。

 

ピンぼけとは、互いの関係性によって完成される芸術。

ファンとアイドルの関係もそうあれたら、状態として美しいなと思います。

道重さゆみ『SAYUMINGLANDOLL〜再生〜オリジナルサウンドトラック』全曲レビュー

1.エウロパ〜むかしむかし[Reading]

自分の部屋が道重さんで満たされていく。夢にも見なかったような日々の中にいる。

 

2.団長ガナシのドール箱[Inst]
光が見える。うつくしい夢を思い出すように。

 

3.再生〜わたしはここにいるわ〜
何があってもこれから先、わたしの人生からこの人が奪われませんように。

 

4.ちょっと逢えないくらいで
そうそう、このワクワク。あの日コットンクラブで感じた心の動きをそのままなぞっているような感覚。なんて恵まれてるんだろう。いつまでもさゆちゃんが楽しく歌って踊れる世界であってほしい。

 

5.ドール見習いの日常[Inst]
固唾を飲んで見守る気持ち。ハラハラ。ドキドキ。漫画みたいな擬態語しか出てこない自分が可笑しい。はぁ、早く会いたいなぁ...。

 

6.miniトート逃げる[inst]
顔文字で表すと( ´◡` )←こういう顔になる。遊びまわる孫をかわいいなぁって見守るような。
さゆちゃんのおじいちゃん、おばあちゃんってこういう気持ちだったのかな。

 

7.ラララのピピピ
きゃー!そう、ぶちアガったよね、ここ!ガンッ!て体温上がる感覚。
この人のことやっぱり大好きやなぁって、言葉でも数値でも表しきれない、見えないあたたかい何かに満たされる、溢れだす。

 

8.カワイイエディットパーティ
可愛いものへのこだわりの強さ、オタク気質、道重さゆみの全てが詰め込まれたような曲。ぜんぶひっくるめたさゆみんが大好き。

 

9.世界はシャボン玉みたいだ[Inst]
世界はほんとに失われやすい。何もかも。今こうしてここにいること、再び出会えたことが、どんなに儚くて、しあわせなことか。

 

10.子守歌のように時間が流れる[Inst]
この曲こういうタイトルだったのか。卒業してからの2年4ヶ月、道重さんがこんな風にゆったりとした時間の流れを過ごせていたのだとしたらすごく嬉しい。

 

11.true love true real love(とぅるらとぅるりら)
楽しくなったり、切なくなったり、心が動くごとに、あぁ道重さんが帰ってきたんだなぁという実感が湧いてくる。
あぁ...やっぱり泣き崩れてしまった。(家でよかった。)なんでこの人のことこんなに好きなんやろう。

 

12.あがるあがる
泣き崩れているわたしに手を差し伸べてくれるような曲。下を向いてたらもったいない。ちゃんと目を開いて見ていこう、さゆみんのいる世界を。

 

13.わたしの答え
歌い出し、いろんな人を思い出した。道重さんの揺るぎのない強い眼差しが、何があっても大丈夫だと言ってくれているようで、救われた。
指を鳴らすとき、下斜めに目線をやる首筋に光る汗、横顔がこの世のものと思えないほど美しかった。わたしの、道重さんの答えの先で、こうして再び出会えてほんとうによかった。


14.シャバダバ ドゥ〜
あの日のピンク色の景色と、この日とは地続きだったんだということを、ここで初めて思った。ステージに引き込まれていて、別の惑星に来たような気持ちだった。ここにいるみんなの、それぞれの長い旅路を思う。ここにたどり着けて良かったね。

 

15.歩いてる(updated)
この曲が歌われた、いくつもの場面が重なる。そこに、また新しい1ページが加わった。ほんとうに思いもよらなかった。これからも、もっともっと重ねていけるのかな。生きててよかった。生まれてきてよかった。

 

CD♪♪♪|道重さゆみオフィシャルブログ「サユミンランドール」Powered by Ameba

(リンク挿入、、、してみた。)

不定期連載 さゆみんとわたし 第20回「さゆの小部屋 PART.3」

さゆみん、こんばんは!

今日2017年3月25日が、わたしにとって再生の日になりました。

 

その前に、1つ目のありがとうを。道重さんに会いにいけることが決まってから、いつもなら落ち込みそうな場面でも不思議と力が湧いてきて、前向きに乗り切ることができました。たとえば君がいるだけで心が強くなれること。です。まさに。

 

2つ目のありがとうは、東京めっちゃ楽しい!です。そこかい!と思われるかもしれませんが、自分にとって大きなことでした。秋葉原ハロショや、銀座の歩行者天国や、歩いてるだけでなんかわくわくして。道重さんを好きな気持ちが、こうしてまた知らなかった景色に連れて来てくれたことが、何より嬉しかったです。

 

3つ目のありがとうは、再びステージに立つことを選んでくれたことです。お互いの選択の先で、再会できたこと。会えなかった時間も、信じる気持ちでずっと繋がっていたこと。この未来にたどり着けた自分を、今日ばかりは少し誇らしく思えました。

 

公演が終わって、なんかもう東京駅までウワーっ!!て叫びながら走りたいぐらい嬉しくて、みんなを大好きやなぁって思う気持ちがこみ上げて来て、そしたらまた泣きたくなってきました。半泣きで歩いてると視界に新丸ビルが見えて、今日の記念にあそこで腕時計を買うのが名案に思えてきました。幸い自分のイメージにぴったりなのがあって、早く決めすぎて店員さんが少し戸惑っていました。今日からの時間を重ねていくための時計。そこからハイになってしまって、寿司を食べました。

 

アキバ行って銀ぶらして道重さんに会って、時計買って寿司食べて。どうですか、絵に描いたような浮かれ具合。

でも、たった一度の人生、悔いのないよう楽しもうということを、今日の道重さんをみて思ったんです。

 

生まれてきてよかった。

そんなふうに思える日をありがとう。

2年4カ月分の氷を、大きな愛で溶かしてくれてありがとう。

その中身が愛であることを、教えてくれてありがとう。

まだまだありがとうは尽きないけど、わたしもわたしの再生の物語を、ずっとずっと続けていこうと思います。

 

SAYUMINGLANDOLLに関する考察~写真集『Sayuminglandoll』を中心として~

はじめに

再生がすぐそこに近づいた今、ふと疑問に思うことがありました。

「SAYUMINGLANDOLL」って、どういう意味なのか。

公演名にもブログのタイトルにも起用されるほど、道重さゆみ(以降、さゆみん)にとって重要な意味を持つであろうこの言葉について、これまで自分が驚くほど無知でいたことに気づき、その手がかりを写真集『Sayuminglandoll』(2011年 ワニブックス)に求めてみることにしました。

尚、筆者のファン歴の浅さ故、検証に誤りのある可能性があることをご容赦くださいますようお願い申し上げます。

 

1.SAYUMINGLANDOLLとは

SAYUMINGLANDOLLの意味について、写真集発売当時のインタビューに以下の通り記述があります。

「わたしのあだ名の『さゆみん』と『ランド』と『ドール』をかけているんです」

「わたしはファンの方に『さゆみん』って呼んでほしいのですが、『しげさん』とかわいくないあだ名で呼ばれている。呼んでほしいあだ名が入っているのでうれしかったです」(*注1)本人考案の造語なのかについては明らかではありませんが、さゆみんの世界観が、この「SAYUMINGLANDOLL」という言葉には見事に集約されています。

まず「王国」について考えた時、さゆみんのふるさとである宇部のことが思い出されました。無人駅、ときわ公園、遊園地、空港、工場の煙突。道重家の末っ子として愛情を注がれた原風景。

次に、第二のふるさととも言えるハロー!プロジェクトについて。アイドルファンから「帝国」と称され、今も脈々と受け継がれる膨大な歴史。2012年のブログには、自らを「姫」とする文献も見受けられます。(*注2)

そのふたつの王国において、さゆみんは姫であろうとしたのではないでしょうか。

 

続いて「お人形」について。

パーソナルブック『Sayu』(2014年 ワニブックス)の中で、さゆみんは人形のコレクションを取り上げて紹介しています。

ここで着目したいのは「これは全部お母さんの趣味です。お母さんが持ってるものって全部可愛いので、私もすぐに好きになっちゃうんです。」という発言です。さゆみんの「かわいい」という概念の形成に、お母さんが大きく影響していることが伺えます。

そんなお母さんが、さゆみんにも可愛い服装をさせたかったであろうことは容易に想像ができますし、そのお人形役を、おそらくさゆみん自身も楽しんでいたのではないでしょうか。

さゆみん、王国、お人形。

これらのルーツが、SAYUMINGLANDOLLという言葉(というより、ひとつの思想)の根底に流れているように思います。

 

2.写真集『Sayuminlandoll』にみる道重さゆみの「かわいい」進化論

ブロンドヘアーのポップな女の子。60's風なレトロガール。毒のあるアリス。白と黒の世界。この写真集に写っているのは、本人すら知らなかった「さゆみん」の姿です。

先述のインタビュー(*注1)の中で、「これまでも極度にかわいかったが、かわいさの幅が広がった」と話しているように、ここではある種の実験が繰り広げられていて、自分でありながら自分でないという客観性に、森村 泰昌さん(*注3)や澤田知子さん(*注4)のセルフポートレートを連想しました。

ナルシストキャラでブレイクして以降、王国の外側の厳しさを身をもって感じたさゆみんは、同時に、「アイドル・道重さゆみ」をお人形として切り離し、楽しむ術を習得していったのかもしれません。

また、さゆみんはアイドルかつアイドル好きの先駆け(*注5)としても知られており、とにかく「かわいい」への探究心が人一倍強く、それが故に生まれるコンプレックスも少なからずあると思われます。ナルシストキャラは単なる自惚れではなく、コンプレックスへの処方でもあるというのがわたしの見解です。(ハロペディアさんに既に同じことが書かれていました…。(*注6))

かわいいの探求者であったさゆみんが、体現者へと成長を遂げたのがこの写真集『Sayuminlandoll』であり、それは後に伝道者へと、さらなる進化を続けてゆきます。

 

3・おわりに~王国の再生~

モーニング娘。としての歳月を経て「かわいい」の伝道者となったさゆみんは、余すところなく使命を果たし、2014年、ステージを後にしました。

それからおよそ2年4ヶ月。再びわたしたちの前に姿を現してくれることを選択してくれました。

制約がまったく無いとは言い切れませんが、これまでよりかは自由のきく環境にあって、どんな「かわいい」を、わたしたちに見せてくれるのか。どんな理想の王国を築きあげてゆくのか。

何よりさゆみん自身が楽しいと感じられ、際限なく愛されることを、国民のひとりとして切に願います。

 

 

1)シネマトゥデイ 自称「極度にかわいい」道重さゆみ、お尻と足のショットをメンバーに大絶賛され「顔が映ってないのに……」と不満顔!(2011年11月3日 )

2)道重さゆみオフィシャルブログ サユミンランドール 「さゆみ姫」(2012年11月17日)

3)作品紹介「森村泰昌」芸術研究所

4)Tomoko Sawada web

5)道重さゆみのエピソード-ハロペディア アイドル好き

6)道重さゆみのエピソード-ハロペディア 世界で一番かわいい

 

参考文献

道重さゆみ写真集『Sayuminglandoll』2011年 ワニブックス

道重さゆみパーソナルブック『Sayu』2014年 ワニブックス

 
 

ぼくらが旅に出る理由

横浜でりななんのお別れの会があった昨日、息子を連れてウルトラマンの映画を観に出かけてきた姉は「ひさしぶりにCDを買った」とオザケンの新譜を見せてくれた。「球体の奏でる音楽の!」「そう!」

中学生まで二人部屋で過ごしたため、わたしの土台はほぼ姉の影響で培われている。ユニコーンピチカート・ファイヴフィオナ・アップルマイケル・ジャクソン、クイーン。

ただ、姉はオアシスが好きで、わたしはレディオヘッドが好きで。

姉は名前に月という漢字が入り、わたしの名前には日が入っているけれど、姉が陽で私は陰だといつも思っている。

 

東京でリリスクの現体制でのラストライブが行われた今日、あやちょの一日学芸員のイベントへ参加するべく、わたしは京都の「戦国時代展」へ出かけた。

わたしはあやちょのブログが好きだ。

あやちょのブログには、楽屋でメンバーとふざけて楽しかったことや、友達と出かけたこととなど、出来事と言うほどでもない出来事が淡々と綴られていることが多い。おばあちゃんと出かけたときのブログは、ほんとうに嬉しかったことが最後の「バイバイ!」ににじみ出ていて、こちらまで心があたたかくなった。

そういった、とりとめのないことを幸せだときちんと感じられる感受性や、日常に美しさを見いだせる審美眼に触れてみたくて、今回あやちょに会いに来てみた。

地元の駅の本屋で買った村上春樹の新刊を読みながら、阪急電車に揺られて烏丸へ。

14時からのギャラリー・トークに参加するにはあらかじめ展示を見ておかなくてはいけないので、お昼ごろに到着し、薄暗い照明に浮かび上がる巻物や焼き物や甲冑や刀、肖像画を見てゆく。誰があやちょのおたくさんで、誰が戦国のおたくさんなのか。どちらでもないわたしは、ここにいてもいいんだろうか。

毛利元就の着物に描かれた家紋が顔に見えてかわいいな、といった幼稚な感想しか抱けない自分へ後ろめたさを感じつつ展示室を後にし、イベント会場となる6階へ。

畳の間なので、靴を入れるためのビニール袋をもらう。握手会で荷物を入れるための大きな透明のビニール袋をもらうのとは違って、今日のそれはどちらかといえば神社仏閣寄りだ。待っている間、数名で構成されたおたくさんの輪が昨日のハロコン広島について雑談を交わしていた。アイドル好きというのは、電車に似ているなとよく思う。始発から乗っていたり、途中下車したり、乗り換えてきたり。何となく楽しそうだからと安易に乗り合わせてしまったわたしは最後列の端っこに落ち着き、持ってきた手帳とボールペンを用意する。

白いハイネックに、ラウンドネックの紺色のカーディガン、濃いオレンジのスカートを合わせたあやちょ。

学芸員の方の質問に間髪入れず全て「はい!」とハキハキ受け答えをし、分からないことは「ヒントお願いします!」と即座に助けを求める現・ハロプロリーダー和田彩花。潔く、見ていて気持ちがいい。

あやちょが戦国専門でないように、わたしはあやちょ専門ではないけれど、西洋画への興味からどんどん視野を広げていけるところや、知らないことを知らないと言える素直さなど、見習いたいなと思うところがたくさん見つかった。

 

大好きなマネや仏像の話になると、水を得た魚のようにぐんぐん話に広がりが生まれ、わたしもこんな風に自分の大切な、大好きなものを語れるといいなと思った。

三室戸寺というお寺に一体だけ洋風な顔立ちの仏像さんがいて「何でここにいんのー!?」と思ったというエピソードや、前に見た禅の展示会の印象を「ふにゃふにゃで柔らかい」と表現したり、借りものの言葉でないから伝わるのか、ということも学んだ。

コールも推しジャンもなく、良い聴講だった。あやちょにとってのアイドルは仏像さんだからか、と妙に納得した。

 

土地勘の無いなかでほとんどやけになりながら、次の目的地を目指す。一度行ってみたかった絵本屋さん、メリーゴーランド京都店。

がんばって来てよかったな、と到着して1分もたたないうちに思った。

大好きな中川宗弥さんの絵本を2冊買った。となりの展示スペースで行われていた、ひろせべにさんの個展もすごくおもしろくて、元気をもらった。あやちょの真っすぐさが、わたしをここに連れてきてくれた。

 

京都から大阪への帰り道、思えばいつもどこかへ移動していることに気づいた。

Perfumeももクロエビ中リリスク、道重さん。

アイドルに限らず、どれか一つ出会いが欠けるだけで、この旅は違ったものになっていた。

 

ぼくらが旅に出る理由は、ほんとうにあるんだろうか。

その理由を見つけることこそが、ぼくらが旅に出る理由なのかもしれない。

喜びと悲しみに、今はただ手をふることしかできなくても。