続いていくSTORY

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ライブビューイングを見終えて映画館のエレベーターを待っていると誰もボタンを押しておらず、周りの人たちを見ると呆然としていて、本当に卒業してしまったんだなとしみじみ感じた。


スクリーンは、Juice=Juiceを卒業していくかなともの特別かわいい笑顔をいっぱいに映し出していて、時おりその表情が崩れそうになるのを、うえむーが隣にいて優しく受け止めていた。さらなる高みへと到達した瑠々ちゃんの歌声に、これまでの歳月と努力とを思い、まなかちゃんは器用そうに見えて、実はすごい不器用なのかもしれないと思った。感情が溢れそうになりながら、懸命に自分の役割を全うしようとしているように見えた。れいれいの伸びやかな声と自然体とは、場の空気をちょうどいい具合に和らげてくれていた。

パフォーマンスを見ていて最も心を持っていかれたのは、研ぎ澄まされた里愛ちゃんの歌唱と、取り憑かれたような由愛ちゃんのダンスだった。個々でも十二分に卓越しているのが、二人揃うとギアが変わったみたいにぐんと凄みを増す。曲前に二人でアイコンタクトをとっている横顔もめちゃくちゃかっこよかった。二人の存在に救われている部分が、技術面でもMC面でも多く見受けられた。ゆめりあいはハロプロの希望。


序盤は最近の曲が続いたので落ち着いて楽しめていたけれど、思い入れの強い曲が来るとパラレルワールドに迷い込んでしまったような感覚に襲われた。もう私の知っているJuice=Juiceはここに無いんだと現実を受け入れていく過程で、新メンバー3人だけのパフォーマンスを見た時、過去の幻影が取り払われた感じがあった。後ろばかり見ていないで、今ここに在るすばらしさにちゃんと目を向けないと。やなみんも、もうずっと先を歩いているだろう、と。

かなともは、最後まで主役になろうとしない人だった。自分よりも周りを心配し、自分の幸せよりも誰かの幸せを本気で願う人だった。

そんな本人に代わって、私たちは彼女を心配し、彼女の幸せを本気で願う。そうでないと、帳尻が合わないからだ。

必ず帰ってくると言ってくれてうれしかったけど、それさえ周りを気づかっての選択なのではないかと少し思ってしまう。「私にもみなさんが必要です」という彼女の言葉を信じて、ここだよ朋子!と帰る場所をみんなで守っていけたらいいなと思った。

 

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