映画を見てから丸一日が経過しても、電車に乗っているときや、ゴミ出しのエレベーターの中で、エイミーのことを考えている。歌声が頭の中を流れている。
ドキュメンタリーといっても、そこには監督の主観が加味されているし、彼女が実際何をどう考えていたかは分からない。
ということを踏まえてみても、彼女の精神はあまりにきれいで、それゆえに誰よりも傷付きやすかったんだろうと思う。
わたしがエイミー・ワインハウスという歌手のことを知ったのは、ベタだけどグラミーの授賞式だった。
映画のワンシーンを見ているような。何度見ても心が揺さぶられる。
その光に潜む闇について、わたしは何も知らなかった。
トニー・ベネットを見つめる、まっすぐな瞳の尊さについても。
Amy Winehouse - The Grammys Awards 2008 (Complet AMY 2015) HD - YouTube
メディアは彼女を危険な人物として映し続けたけど、本当はそれは反対だった。
商業的な成功が彼女を変えたと思っていたけど、それも反対だった。
何をも彼女を変えることはできなかった。
誤魔化したり、うやむやにしたり、もう少し狡猾になれたら、エイミーはここまで苦しまずに生きられたのかもしれない。
それでも人を信じ、愛しつづけるためには、自分自身を破滅させるほか無かったんだろうか。
正気で生きるには、この世は狂いすぎていて。
かく言うわたしも、彼女から音楽を奪った加害者の一人なんだと思う。
そう懺悔しながらも、やはり彼女の音楽に救いを求めてしまう。
それを与えてくれるのは、この世で彼女の音楽以外にないから。
構わないわ
蒼い夕闇の中で
私の涙は勝手に乾いていく
Amy Winehouse - Tears Dry On Their Own - YouTube
おまけ
八代亜紀さんとエイミーが繋がっていること、個人的にすごく嬉しかったです。