うつくしい日々

通勤途中の駅のホームで、連れ合いから早朝にLINEで送られてきていたURLの中身を確認すると、そこには大好きな人の名前と近況が書かれていて、鈍器で殴られたような衝撃と残暑の日差しとでしばらく言葉を失った。

まずこのニュースは鵜呑みにしていいのか?ここまではっきりと名前を挙げられているということは何%かは事実なんだろう。冷静になろうとするも感情の抑制が効かず、何度も記事を反芻し、そこに書かれてあることを少しずつ理解しようとした。

次に、彼女の選んだ相手がどんな人なのかを知ろうと思った。wikiを見ると既にその情報が反映されていて、再び心にずしんと重いものが来た。わたしの父親と同郷という個人的な理由で少し好印象を持った。

そういえば、そのバンドを好きな友人に頼まれて購入した配信限定の曲がiTunesに入っていたなと再生してみて、これらはあの子にあてられた言葉なのかもしれないという個人的な解釈によって、やっと涙が出た。車窓を飛び去る景色はいつもよりきらきらと白い光に包まれて見えて、あたたかな感情が流れ込んできた。

それから、iTunes Storeでそのバンドの最新アルバムを探し、購入したばかりのそれを聴きながら仕事に向かった。また涙が込み上げてきて、こんな風に誰かに心を動かされることが懐かしかった。

一般女性枠、強くない?と、同じく表舞台を後にした大好きな人たちを思い出して、同じ今日を生きられていることがただただうれしかった。

更衣室で着替えながら気がつくと履いてきた靴と仕事の靴とを片方ずつ履いていて、帰りの電車でこれを書いている今も降りる駅を乗り過ごしてしまった。まだ感情がつかめないけれど、今日はケーキを買って帰ろうと思う。