やなみんとわたし

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この間ここへ来たのは2018年10月13日のJuice=Juice単独公演で、それがわたしにとって、やなみんに会うためにチケットを買って観に来た初めてのコンサートだった。(その前はシリイベだったから。)

その頃は、こんなことを感じていた。

この約3週間後、卒業の発表があった。

今日のやなみんは間違いなくここに居て、自分自身ではなく外に向けて、心の底から笑っていた。たった4か月。まるで世界が一変してしまったような日々だった。

仕事終わりで何時に入れるか分からなかったから、迷ったあげくファミリー席に申し込んだ。よほど通路席の神様に愛されているのか、5割ぐらいの確率で通路側になる。席に着けたのは開演5分前だった。隣の方は「船木結」と書かれた黄色いペンライトを持っていた。

Juice=Juiceのやなみん、アイドルを観ていて鳥肌が立ったのは初めてだった。凄みがあった。きっちり揃った前髪とウェーブのかかった後ろ髪に道重さんの姿が重なって、ん?と目をこすりたくなった。ついに思考回路がエラーを起こしはじめたか、と思った。 何かを決意した人にだけ漂うオーラのようなものに、似通ったものを感じとったのかもしれない。

わたしはカントリーをハロコンでしか観たことがなくて、こうしてちゃんと観るのは今日が初めてだった。メンバーは5本の指のようで、ここからやなみんが居なくなることは考えにくく、ここに居なくてはいけない人だと思った。何も分かっていなかった。やなみんのことも、カントリーのファンの方たちの思いも。こんなにも大切な居場所を自ら離れることに、どれほどの覚悟と勇気が要っただろう。

個人的には、いつか観たいと思っていたやなみんの姿を今日で全て観ることが出来た。この数ヶ月間、わたしのようなド新規に対してあらゆる願いが叶いすぎていて、この先何年分もの幸せを前借りしているんだ、と自分に言い聞かせる。これからどんな壁にぶち当たっても乗り越えていけるように。過ぎ去る1秒が惜しいほどに楽しく思う自分と、それがもうすぐ終わってしまうつらさに夢であってほしいと願う自分と、二つに分裂しそうだった。

全ての演目が終わり、周りが静かだったので少しためらったけど、どうしても感情を抑えることができなくて、客席に手を振るやなみんに向かって「ありがとう!」と叫んだ。スッキリした。2Fから見る青と紫の光の海は、やなみんの憧れの伝説のポケモンスイクンと同じ、おだやかでやさしい色をしていた。

この先もしまた誰かを好きになったとしても、同じかたちは二つと無くて、今こうしてやなみんを思う気持ちは、誰にも奪われることなく、わたしの中で一緒に生きつづけていく。そのことがすごくうれしかった。梁川奈々美という女の子の人生に、少しの期間だけでも重なれてほんとうによかった。やなみんとわたしの物語は、まだまだ始まったばかりだ。